自治体著作権への対応

公開日 2021年12月02日

プロポーザルの仕様書に記載されている著作権の扱い

自治体公式サイトのプロポーザルにおいて多くの場合、著作権に関する次のような記述があります。

権利の帰属
ホームページ作成に関する一切の著作権は本市に属するものとする。
ただし、オペレーティングシステム・ミドルウェア・CMS 等のパッケージは含まない。

この記述では、受託した費用でCMSのパッケージを追加・修正した場合、その部分の著作権がどのようになるかが明記されていません。
自治体様が支払ったお金で作成した成果物は、すべて自治体に帰属すると解釈した場合、CMSのプログラムの一部が自治体様の著作物となります。

追加・修正部分を標準版CMSに反映した場合、オープンソースライセンスで再配布することの了承や、著作権がある部分のコードを修正する場合の許可など、いろいろな点について自治体様と協議して進めるのは現実的ではありません。

このような場合、当社ではCMS全体を派生バージョンとして分けて、その自治体様専用のソースコードとして管理しています。

当該の自治体様からの機能追加の要望や不具合の修正がなければ、派生版のソースコードは変更しないため、枯れた安定したシステムとなります。しかし標準版に随時追加されている新しい機能や改善は反映されません。

派生バージョンとして標準版とは異なるソースコードを保全するのは、自治体公式サイトとしての用途では費用対効果が悪いと考えています。公式サイトとして必要な機能は、どの公式サイトでもほぼ同じであるため、あえて保全費用を負担して独自の機能を組み込むメリットはほとんどありません。

以上の背景から、自治体様に著作権が帰属するソースコードは、自治体様専用のプラグインのみに限定するのが望ましいと考えています。このため商流により、次のように対応する方針としています。

自治体様と当社の直接の契約の場合

  • CMS本体を修正して対応する場合、その修正費用は自治体様には請求しません。
  • 修正は当社の費用と仕様で行うため、要求仕様と完全には一致しない場合もあります。
  • 以後のマイナーバージョンアップでの改善や環境変化に伴う保全は当社の責任で行います。
  • 当該部分の機能の改善を行う場合、自治体様の操作性の維持を考慮します。

ベンダー様と当社との契約の場合

  • 前述の著作権に関する契約は、ベンダー様と当社の間には適用されないと考えます。
  • CMS本体を修正して対応しなければならない場合、その修正を標準版に入れて問題ないかを検討します。
  • 標準版に入れる場合、当社の開発計画に組み込み、開発日程を決めます。
  • 当社の開発日程ではサイト構築に間に合わない場合、開発日程を可能な限り調整し、サイト構築に間に合わせられないか検討します。
  • 開発日程を調整して開発を行う場合は、「優先開発」の扱いとし費用をいただきます。
  • 「優先開発」の費用は開発費の半額程度を基準していますが、いろいろな状況を考慮して決めるため、開発費と直接的な関係はありません。
  • 開発したソースコードの著作権は当社に帰属し、以後当社の責任で保全します。
  • 設計、プログラミングに投じられる工数には限界があるため、「優先開発」の費用をいただいても、ご要望に対応できない場合もあります。

 

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